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写真のコツ vol. 6

順光と逆光

· カメラ

写真は順光で写さなければならない……ビギナーのうちはそう教わります。この順光とは、カメラマンの背中側から被写体に向かって光が射すことです。被写体にしっかり光を当てることで明るくコントラストがつき、美しく発色します。では、すべての写真がその順光で撮影していいのでしょうか。それを見てみましょう。

なぜ順光がいいのでしょう?

逆光 例

写真①

順光で撮影するとどのようなメリットがあるかはすでに解説しましたので、では順光ではない場合、つまり逆光だとどうなるかを見てみましょう。典型的な例が①の写真です。被写体は黒く潰れ、ディテールが分かりません。逆光だとなぜこのようになってしまうのでしょうか。

答えはカメラの露出測定機能(AE)にあります。①の写真をもう一度よく見てください。被写体の後方の明るい空が広い範囲を占めています。これがクセ者で、カメラはこれに合わせて露出を決めてしまうのです。つまり、画面に明るいものがあるとそれに合わせるため、暗い被写体を表現するには露出が足りなくなってしまうのです。

逆光で上手に写すには

逆光 調節

写真②

逆光だから順光にしなさいといわれても、それが可能な場合と不可能な場合があります。カメラマン(または被写体)が反対側に移動すれば順光になりますから、それが可能ならば問題ありません。しかし、不可能なときはどうしますか? 諦めますか?

 

順光とまったく同様というわけにはいきませんが、ある程度被写体のディテールを出す方法があります。一つは、被写体に露出を合わせる方法です。現在のAE(露出の自動測定)機構はさまざまな選択ができます。上下や左右、周辺部、または中央部だけを重点的に測光するのです。そこで、被写体を中央に配置して中央部重点測光します。そして、AEロックをかければ被写体の位置を変えても露出は変わりません。

 

ただし、この方法は被写体よりも明るいところを無視しますから、その部分はおおむねスッ飛んでしまいます。しかし、被写体のディテールはしっかり出すことができます。それが②の写真です。

レフ板やストロボを利用する

ストロボ

一般に、被写体が暗いとき、カメラマンはどうやって撮影するでしょうか。絞りを開けたりシャッタースピードを遅くするのはここではNGです。理由は今さら説明する必要はないでしょう。答えはストロボ、またはレフ版を使えばいいのです。通常、ストロボは絶対的な光量が不足しているときに使うものです。逆光とはいえ、全体が明るい状況ではストロボを使うことに意識は及びません。しかし、カメラには日中シンクロというテクニックがあります。シンクロとはシンクロナイズの略で、意味は「同期」です。シンクロナイズド・スイミングは皆さんよくご存じでしょう。二人以上のスイマーが同じ動きをしながら泳ぐ競技です。カメラではストロボの発光とシャッターが同時に作動するという意味です。現在では当たり前ですが、この機構が開発されたときは画期的だったのです。

 

それはともかく、日中シンクロとは明るい昼間にストロボを使うテクニックです。不足する被写体の露出をストロボで補おうというものです。それが②の写真です。①に比べるとディテールが表現されていることが分かるでしょう。

 

ただし、自然光とストロボ光という二つの異なるタイプの光が混じるため、露出を決めるのは簡単ではありません。現在のカメラはシャッター速度250分の1以下でシンクロするように設定されています。そのため、しばしば露出がオーバーしてしまうのです。可能ならばマニュアルで何カットも撮影して、ベストの露出を決めなければなりません。

レフ板で被写体を明るくする

レフ板

レフ板(ばん)を聞いたことがありますか? レフとはドイツ語のレフレックス、英語ではリフレクター、つまり反射です。白、または銀色の紙を貼った板を使って光を反射させ、被写体を明るくすることです。白か銀色かは状況次第です。ポートレートのような軟らかい光が必要なときは白を使います。ディテールをくっきり表現したい場合は銀色がいいかもしれません。最近は100円ショップで販売されている材料を使って自作する人が増えています。

 

ただ、これにも問題があります。屋内で物撮りする場合は苦労することはありません。しかし、屋外ではそうはいきません。アシスタントが保持してくれればいいのですが、そういう境遇の人はまれでしょう。大きいものは三脚で固定したり、小さいものは片手で保持したりという工夫が欠かせません。

半逆光を活用する

半逆光

理想は順光と冒頭で断定しましたが、それは必ずしもベストというわけではありません。写真では光の使い方が非常に大切です。もちろん、順光で美しく表現するケースも多々あります。しかし、逆光をうまく使うとひと味もふた味も変わった写真になります。まったくの逆光ではなく、半逆光というテクニックです。

 

例えば、正面上方に太陽があったとします。そのまま撮影すれば逆光ですが、ポジションを移動することで太陽を左、または右上方に位置させることはできるでしょう。その状態で撮影すると黒く潰れたところと美しく表現できた部分が入り混じり、さらには光が「芸」をしてくれます。微妙な角度でガラッと変わりますから調整が必要ですが、うまくいけばドラマチックな写真になります。ぜひ挑戦してみてください。

 

さらに、逆光を利用して被写体をシルエットで表現することも可能です。

まとめ

繰り返しになりますが、写真では光の使い方が非常に大切です。順光はあくまでも基本です。順光では確実に美しい写真になりますが、それ以上のレベルを望むのなら逆光、半逆光を使いこなすべきです。このテクニックを自分のものにできればあなたの写真は間違いなくレベルアップするでしょう。

 

なお、ここではストロボという用語を使いました。現在、我が国ではストロボのほかにスピードライト、フラッシュという商品名も普及しています。すべて同じものと解釈してください。

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